博物館お隣の樹林地へ行くと、遠目にもいかめしい姿の植物が堂々と咲いていました。
アメリカオニアザミです。この10年ほどで急激に広まった外来植物の一つで、その特徴は全身にまとう鋭いトゲです。
アザミのなかまはどれも多かれ少なかれトゲがあります。しかし、これほど大きくて鋭いトゲをつけたものはそうはありません。早めに駆除しないと爆発的に増えるのですが・・この場所は現在、花ごよみ調査を実施している場所なので、とりあえずそのままにしておきました。
まわりをふと見ると、もう一つトゲトゲ植物が。一見して、ナス科の花ですね。
こちらはワルナスビです。外来植物には不遇な名前のものが多くありますが、ワルナスビも、いかにもという名前です。実際、葉の裏や茎にたくさんのトゲがあります。
アメリカオニアザミもワルナスビも、幼植物のうちに抜いておかないと、花の頃にはもう、うっかり手出しできないような武器を身につけてしまっています。
こうしてみると外来植物の武器のように感じられるトゲですが、じつは植物のトゲは在来植物にもふつうにあるものです。近くで育っているモミジイチゴもバラ科なのでしっかりトゲを持っています。
香辛料でおなじみのサンショウも近くにたくさん生えていますが・・
立派なトゲを持っています。
植物にとっては防御はもちろん、ほかの植物にもたれかかったり巻き付いたりするときのひっかかりなど、トゲにはいろいろな機能があります。うっかり触ると痛い目に遭いますが、どうしてこの植物がトゲを持っているのか?と考えながら見ていくと、植物の戦略を垣間見ることができてちょっとおもしろいと思います。