博物館で育てていたカイコはすでに繭の乾燥も完了していますが、飼育協力していただいていた方からも繭が届きました。綺麗にボール紙で「まぶし(蔟=カイコがまゆをつくるように仕切られた場所)」を作って下さっています。
しかし、博物館からお渡ししたカイコが想定以上に多かったそうで、クワの入手もご苦労をかけてしまったのですが、まぶしも当然足りなくなります。そこでこの方が緊急で作られたまぶしは・・
ボール紙を井桁(いげた)に組み合わせる工作は、意外と手間がかかりますが、これなら帯状に切った画用紙をセロハンテープでとめるだけです!
柔らかすぎる紙だと繭が紙の面にくっついていびつな形になってしまうのですが、筒にした時の大きさや、ちょっとした止め方の工夫で、それほど厚い紙でなくても問題無くまぶしができています。これは使えます!これまで学校などへご紹介していたのはトイレットペーパーの芯です。
ただこれも、いつでもすぐにたくさん手に入るわけではありません。画用紙でも簡単に、あっと言う間に作れるまぶしのアイデアはこれから使わせていただこうと思います。ちょっとしたことなのですが、時々、こうして凝り固まったイメージを崩してくださる市民のみなさんのアイデアに救われることがあります。
ちなみに、博物館で展示している回転まぶしは一度に大量の繭を作らせることができる優れものですが、これをつるしておける蚕室(さんしつ=カイコの飼育専用の部屋)が必要です。
すべての工程を臨時の蚕室でやらなくてはいけない博物館のカイコの飼育に、また一つ、よいアイデアが加わりました!