先日(8月4日)、夏休み考古学教室「見て・触って・作ってみよう! 縄文土器づくり体験」を博物館で行いました。まずは博物館を探検し、普段は入ることができない考古資料収蔵庫などを見学しました。展示されている土器以外にも、たくさんの資料が保管してあり、みなさんキョロキョロ・ワクワクしながら興味深く探検していました。
続いて、実習実験室で本物の縄文土器を使って説明した後、本題の土器づくりに入ります。今回は土器づくりの会の小島先生に、土器づくりを教えてもらいました。
まずは、土器の素地づくりから。土器はもちろん粘土を使いますが、粘土だけではヒビが生じてきてしまいます。粘土と粘土をつなぎ合わせておくために、粘土に砂を混ぜ込みます。この素地づくりが一番体力を使いますが、みなさん、がんばっていい素地に仕上がっていました。
土器の素地ができたら小分けにしておき、土器の底の部分を円盤状につくります。今回は径5~6㎝のものでつくっていきました。あとは粘土紐で輪積みにして、土器の底から立ち上げていく、成形の工程です。粘土紐を輪積みにして、つなぎ目をきちんと調整していきます。段々と積み上がっていくと、みなさん、バランスをうまくとりながら、思い思いの形にしていきました。
形が出来上がると次は縄文土器の本領ともいえる文様付けです。本物の縄文土器を観察しながら、イメージをかためます。縄を転がしたり、細い粘土紐をくねくねと蛇行させたり、細い棒で線を引いたり、棒の先を押したり引いたり、細く尖った先で集合した線を引いたりと、全員が縄文風の個性溢れる土器に仕上げることができました。
土器の素地作りからはじまり、成形、整形、施文までいきました。土器は野焼きで焼き固めることによって、はじめて道具としての土器ができあがります。ただ、粘土には水分を多く含んでいますので、すぐに焼いたら急激な熱により粘土内の水分が水蒸気となって充満し、土器を破裂させてしまいます。ゆっくりと乾燥させてあげることが必要です。
今回はここまで。乾燥を経て次回8月20日に野焼きします。
今回の考古学体験教室は夏休みの自由研究や工作にも充てられるよう、縄文土器の簡易な折込冊子を参加者のみなさんに配布しました。しばらくは館内(エントランス)に配架しておきますので、欲しい人は博物館に遊びに来てください。