先日(8月30日)、市内緑区のある場所で夜間の昆虫調査を行いました。
ライトトラップという方法で、夜間、光に集まる性質のある昆虫を採集します。
途中で雨が本降りになってしまったため早々に切り上げてしまったのですが、短い時間の中でもいろいろな昆虫がやってきました。たとえば、こんな蛾が!
え?これはアゲハチョウでは・・
いえいえ、非常によく似ていますが、これはアゲハモドキという蛾のなかまです。体内に毒を持つジャコウアゲハに擬態していると言われています。この日はたくさん飛来しました。
そしてこちら。
クワコです。カイコと同じ祖先を持ち、カイコに最も近いなかまの野生の蛾です。
そういえば先月、ある方からクワコの卵をいただき、ふ化した幼虫を育てています。
カイコの1齢幼虫よりもだいぶ毛深い感じです。
そして現在は3齢ですが、これが葉の上にいると、鳥のフンにそっくりで思わず見落としてしまいます。
これまでもクワコを4齢くらいから育てたことは何度もありますが、1齢から育てたのは初めてです。1齢から育ててみると、カイコとずいぶん違うことがわかります。まず、飼育容器を開けておくと、すぐに外へ逃げてしまいます。そして、日中、ほとんど食べているところを見ません。食べているようすがないのにちゃんと毎日大きくなっているので、どこかで食べているのでしょう。
家畜化昆虫として長い年月かけて作られてきたカイコの性質を、クワコを通して改めて知る機会となっています。