はらぺこイモムシ(写真あり)

博物館駐車場の隅で、相模原を代表する絶滅危惧種のカワラノギクを栽培しています。これは、市内の自生地の遺伝系統を保存するための栽培なのですが、毎年この時期、ちょっと油断するとこんな状態になってしまいます。

柔らかそうな新しい葉を狙って食べてあります

ひと月後くらいに花を咲かせるために伸びてきた茎(シュート)の葉が、ことごとくイモムシに食べられてしまうのです。今回も、ほかの仕事が忙しくて5日ほど目を離したスキにこのありさまです。イモムシ(ここでは蛾の幼虫)は終齢幼虫になるまではそれほどたくさんの葉を食べないので、食痕もあまり目立ちません。そのため、小さいうちに発生に気付くのが難しいため、発見が少し遅れると盛大に葉を食べた痕から発生に気付くことになります。
さて、早速駆除作業を行ったのですが・・どこにいるかわかりますか?

どこにイモムシがいるでしょうか?

完全に茎と葉に同化した色と質感で、目が慣れてこないと見つけられません。上の写真の真ん中下の方にいます。
拡大すると・・

昼間はこうしてじっとしています

はらぺこのイモムシにはらいっぱい食べさせてあげたいのはやまやまですが、ここでそれをやってしまうと絶滅危惧種の系統保存という目的にかないませんから、躊躇なく駆除します。ところでこのイモムシ、種類はよくわかりませんが、おそらくヤガ科のキリバガと呼ばれる蛾の一種だと思われます。

ヤガ科の蛾のなかまと思われます

綺麗な黄緑色の姿を写真に撮りましたが、このあとは地面のアリさんたちに運んでいってもらいました。ちなみにこの日は、2つのプランターで15匹以上見つけて駆除しました。

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