10月15日、藤沢市の日本大学生物資源科学部において「丹沢大山自然再生活動報告会 ―自然再生を担う多様な人材育成について―」(主催:丹沢大山自然再生委員会、共催:神奈川県自然環境保全センター)が行われました。
基調講演は、長崎県の対馬市から域学連携についての取り組みが報告されました。単なる学術連携のお話ではなく、過疎や高齢化の過酷な現実と将来予測に立ち向かう大変刺激的で熱気のこもった内容に、会場全体が圧倒されました。UターンやIターンを含めて、若者世代と市民(島民)をつなぐコーディネートの取り組みは多層的、多角的で、多くの示唆を含むものでした。
当館からも生物担当学芸員が活動報告を行い、ボランティアグループの一つである相模原植物調査会のみなさんと丹沢山麓域を中心に行っている植物相調査や、市町村合併によって市域に含まれることになった丹沢を、市民がどう認識しているかなどについてお話ししました。
丹沢大山再生事業では、次代を担う人材育成が喫緊の課題となっていることが共有されています。この日もさまざまな世代に向けて取り組まれる人材育成の実例が報告されました。県民、あるいは市民が丹沢を身近な山として、そして自然の財産としてその価値をどのように共有するかが重要なポイントになると、改めて感じました。