日本に渡ってくる冬鳥の多くは、その年の食糧事情などによって飛来数が大きく変動します。バードウォッチャーたちの間では、「今年は○○が当たり(飛来数が多い)だね!」などという会話が日常的に交わされるのですが、そんな会話の中でひときわニュース性が高い鳥のひとつがこちらです。
ヒレンジャクです。冬、日本へ渡ってくると、上の写真のようにヤドリギという常緑の着生植物の果実を好んで食べることが知られています。飛来数が極端に変動することもさることながら、この独特の風貌が人気の鳥です。
今年は1月下旬くらいからチラホラとヒレンジャク情報が入り始めたので、ここ数年無かった当たり年か!?と期待が高まっていました。2月下旬には相模原市内でも数羽の飛来が確認されていたのですが、いよいよ3月に入り本格的な「当たり年」であることが明らかになりました。こちらは市内ではありませんが、神奈川県西部での3月9日の写真です。
なんと、普通の住宅地の庭や電線に、80羽を超える群れがいたのです。もはや近隣のヤドリギの果実は食べ尽くしたようで、住宅地の庭でピラカンサなどほかの果実を食べていました。こんな年は冬に実る果実ならなんでも食べますし、春一番に咲くヤナギの花も食べたりします。
そしてこの群れの写真を後からじっくり見ていたら、尾の先の色が異なる1羽を見つけました。
ヒレンジャクよりひとまわり大きく、尾の先が赤色ではなくて黄色なのが特徴のキレンジャクです。もともとヒレンジャクよりもずっと飛来数が少ない鳥ですが、今年はキレンジャクにも期待が持てます。しばらくはレンジャク探しの楽しみが続きそうです。