春雨の朝、博物館の中庭を見るとエビネの花が咲き始めていました。
毎年、大型連休直前に咲き始めるのですが、今年はエビネも少し早めのようです。雨に打たれた花はまだ少しうつむき加減ですが、週末にはしっかり前を向いて咲きそろうはずです。
里山の貴婦人とも呼ばれるこの野生ランは、美しさゆえに盗掘が絶えず、中央区や南区ではとても珍しい花となってしまいました。博物館では安全な中庭で咲き誇っていますので、ご来館の際にはぜひご覧下さい。
さて、お隣の樹林地では花ではありませんが、こんな植物がありました。
ゼンマイです。食用としてもしられるシダ植物ですが、食べるのは栄養葉の若芽です。展開するとこんな大きな葉になります。
そして、左側にまっすぐ立っている茶色い茎は、胞子茎といって胞子を飛ばすために伸びた茎です。
ゼンマイのように役割の異なる2種類の茎や葉を持つシダ植物は少なくなく、同じく食用のコゴミ(クサソテツ)やツクシ(スギナ)も胞子茎を別に出します。一方、ワラビの仲間のように胞子が通常の葉の縁などにつく種類も多くあります。
博物館のまわりでは、植物が日替わりでいろいろな表情を見せてくれています。