先日、まだ積雪の前に書いた当館のホームページのコンテンツ「生きものの窓」で、「見かけ倒し?真冬の果実」と題して見た目のわりにうまみの少ない、冬の果実について紹介しました。そして結びに、そろそろ、これらの果実も鳥たちに食べられるかも、と書いたところ…。今回の積雪の後、予想通りとなりました。
その果実とは、中身が種子ばかりで果肉のほとんど無い、博物館の前庭に実るヤブランやマンリョウなどです。
木の実が不作、あるいは冬鳥の渡来数が多い、または、雪など突発的な食料不足が起きると、鳥たちもしかたなく(?)これらの果実を食べ出します。この積雪でもしやと思い前庭を見ていると、やっぱりヒヨドリがやってきて、一心不乱にこれらの果実を食べていました。ヒヨドリのお食事姿は撮ることができませんでしたが…。
ついこの間までたわわに実っていたヤブランも、果実がもがれて果柄だけが雪の中から突き出ています。
マンリョウもこのとおり。積雪の前はまっかな果実がぶらさがっていました。ちなみに、園芸品種のキミノマンリョウは赤く実らず、白い果実をつけるのですが…
半分以上残っていました。やはり鳥から見るとおいしそうには感じられないのでしょう。
積雪は、バードウォッチャーにとって雪の上の鳥が観察しやすいしわ、山から食料を求めて冬鳥たちが下りてくるわでなかなかオイシイ気象現象ですが、鳥たちにとっては文字通りの死活問題ですね。
(生物担当学芸員 秋山)