博物館で育てているカイコは今、熟蚕まっさかりです。熟蚕(じゅくさん)とは、5齢になって1週間食べ続けたカイコが、いよいよ繭をつくるために本格的に糸を吐きはじめた状態のことです。写真の下側が熟蚕で、上側はまだ熟蚕になっていない5齢のカイコです。
やや体が縮み、黄色く透けたような色になります。さらに飼育容器の角などで頭を振っていたら、熟蚕のサインです。繭を作る部屋の蔟(まぶし)へ移します。ダンボールで作った蔟で、外側の糸を張っています。
最初はなかなか蔟に入ってくれず、縁などをうろうろしているのですが、そのうち観念して(?)繭を作り始めます。
蔟は特別な工作は必要無くて、少数なら少し厚めの紙を丸く筒状にしてテープなどでとめればOKです。
トイレットペーパーの芯を半分に切ったものがよく使われます。
こちらは、相模原市立博物館特製!小さめの食品パックの蔟です。
これは展示用で、繭のできるようすが見えるので好評です。ただ入れるだけでは失敗してしまうので、ちょっとした細工がしてあります。どのような細工かはまた改めて解説いたします。
カイコの飼育も、ラストスパートに入りました。