博物館お隣の樹林地を囲っているフェンスに、アサガオのような花が咲いています。
ヒルガオです。こんな色と形の花は、春からふつうに畑や街路の植込みなどで見てきたのですが、上の写真の花は少し大きめです。春からよく見ていた少し小さめの花は、だいたいコヒルガオという別の種類の花と思われます。こちらのヒルガオも珍しい花ではないのですが、じつは、典型的なヒルガオというのはなかなか見られません。花を支える苞葉(ほうよう)という部分の形やその付け根の茎の部分はこんな感じです。
コヒルガオはこのように、苞葉が少し小さくて先が尖り、茎に縮れたヒダがあります。
葉はこのようにやや細長くて上下の幅があまり変わらず、下(基部)が左右にあまり張り出さないのがヒルガオの特徴です。
こちらはコヒルガオの葉です。
今回ご紹介したヒルガオは比較的わかりやすい典型的な形なのですが、これがなかなか迷ってしまうような中間型の株が多く存在します。ヒルガオもコヒルガオも種子からよりも地下の茎から分かれて増える栄養繁殖で増殖するのですが、時に両者が交雑する場合があるようで、両種の特徴を持った株が珍しくありません。あまりにも身近な雑草ですが、識別が意外と難しい種類なのです。