私はアオダイショウ(ヘビの写真あり)

今朝(7月13日)、出勤すると清掃担当の方が慌てたようすで呼んでいます。生物担当がこんな風に呼ばれる時はたいてい、招かれざるお客様が入館してきた時です。
果たして今日はこちらでした。

まだ40センチほどの小さなアオダイショウ

アオダイショウの幼蛇です。正面入口の風除室に入っていたところを発見されました。
さて、アオダイショウは成蛇になると、大きいものでは1.5メートルにもなる大型のヘビですが、性質はおとなしいものが多く、古くから「家の守り神」として崇められてきました。その理由の一つは、このヘビが屋根裏などに入ってネズミをよく食べるからです。そして、ネズミは養蚕の大敵、カイコに病気を運ぶ、あるいはカイコをかじって殺してしまうということで、養蚕農家にとってまさに害獣でした。そんなネズミをたくさん食べてくれるアオダイショウが神格化されてきたのも当然といえます。
しかし、そうした生きものとのつながりが薄れ、今はただ嫌われる一方になってしまった感があります。さらにアオダイショウの幼蛇は下の写真のように斑模様が入っています。うすく縦縞が入り、青光りする成蛇とはだいぶ色合いが異なります。

アオダイショウ(幼蛇)の背中

これがどうやら、マムシに似ているということでよく間違われます。本物のマムシは下の写真のようにずんぐりしていて、いわゆる銭形模様が大きくて明瞭です。食べているものはそう変わらないのですが、どういうわけか、マムシが屋内に侵入することはまずありません。

ニホンマムシ(成蛇)

顔もだいぶ違います。マムシは黒い部分が多くて口先がするどい三角形、目はネコの眩しい時の瞳孔のように縦長なのに対し、アオダイショウはまん丸で、いわゆる「蛇の目」、口先は角張っています。

アオダイショウの顔 まさしく「蛇の目」です

といっても、ヘビが嫌いな方にはそんな詳しく顔まで見る余裕もないことでしょう。
ヘビを嫌いな方がいるのは当然です。でも、ヘビはそれほど攻撃的な生きものではないので、適度な距離を保つことが大切だと思います。

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