先日、博物館の警備員さんが駐車場でタマムシを見つけたと教えてくれました。
別名ヤマトタマムシと呼ばれることもあり、日本にたくさんいるタマムシのなかまの中でも、一番オーソドックスで、そして一番美しい種類です。
その翅(はね)は古くには正倉院に収蔵されている宝物(ほうもつ)の内部にも含まれていて、私たちと長い関わりを持つ虫であることがわかります。
ちょっと失礼して裏返すと、「ここまで必要なの!?」と言いたくなるくらい、隅々まで光沢が行き渡っています。
前翅(ぜんし:外側を覆う硬い翅)の裏側にまで光沢があります。この色は見る角度によって微妙に変化します。体に着色しているのではなく、構造色と言われる、光の屈折を利用した色あいです。その色使いから、タマムシ類は英名でJewel beetle(宝石の甲虫)と呼ばれています。何度も見ているのに、撮影しながらしばらく見とれてしまいました。
ちなみにタマムシはエノキなどの葉を食べますが、セミと同じように成虫になってから1ヵ月ほどしか生きられません。飼おうと思ってもなかなか思うようにエサを食べてくれず、飼育が難しい昆虫の一つです。