9月14日から17日に新潟大学で行われた日本鳥学会大会に参加してきました。
生物担当学芸員が、自然環境観察員制度の全体調査の一環で行われている相模原市内のツバメの巣の分布調査について再解析を行った結果をポスター発表しました。
市町合併を経て調査方法が変更されるなどして、比較しにくくなっていた調査結果を観察員さんや北里大学の協力を得て、改めて学術的な解析を行いました。方法や考察について、同じように市民調査を行っている機関や研究者からも建設的なアドバイスをいただき、とても有意義なディスカッションが行えました。この結果については11月17日~18日に予定されている学びの収穫祭でも発表する予定です。
また、大会の中で公開シンポジウム「トキの放鳥から10年:再導入による希少鳥類の保全」が行われました。
トキやコウノトリ、ヤンバルクイナなど絶滅の危機に瀕した鳥類の保全の最前線について、現場の研究者の興味深い話題提供がありました。
最終日は佐渡島へ渡り、野生復帰(再導入)したトキと生息環境などを視察しました。
繁殖期がそろそろ終わり、羽が抜け替わって鴇色(ときいろ)が一番美しい季節です。佐渡の田園風景に溶け込むトキの姿は、息をのむような美しさでした。
ところで、佐渡島は地域を挙げてトキをシンボルにしています。至る所にいろいろなトキがいました。
佐渡の牛乳パックはこのとおり。
佐渡島のトキは現在、野生状態に350羽以上いて、地域のバックアップもうまく進められているように見えます。しかし佐渡島は、過疎や高齢化といった地方の人口問題が凝縮されたような地域です。そうした中で今後トキの保全をどのように進めていくのか、とても難しい問題を抱えています。地域だけに押しつけることなく進めていかれるか、私たちにも突きつけられた問題だと改めて感じました。