先日、博物館に一通の手紙が届きました。パリで開催される「縄文-日本における美の誕生」展の内覧会・レセプションの招待状です。
今年は日仏友好160年を記念して、日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」が開催されており、日本とフランスの両国で様々な展覧会などがたて続けに行われているようです。そうした中、10月17日~12月8日には、先ほどのパリ縄文展がパリ日本文化会館で開催される運びとなったものです。
ではなぜ、当館に招待状が届いたかというと、当館寄託資料(個人所蔵)である大日野原(おびのっぱら)遺跡出土の土偶装飾付き土器が、日本代表として出展されるからなのです!当館でも“おびのっち”の愛称で考古展などで活躍してもらっている貴重な土器で、ブログでも何度かご紹介してきました。
深鉢形土器の縁に土偶の上半身が土器と一体化されています。この土器でどんな料理を煮込んでいたのでしょうか?
愛くるしい顔は、切れ目で、両ほほには入れ墨のような二本線が飾られ、口はポカンと開いています。胸からお腹にかけては三本指の両手がそっとそえられ、レントゲン撮影で診断すると、口の中はそのままお腹まで空洞となっていました。
海外渡航は実は2回目です。初渡航は2009年で、イギリスにあります、かの大英博物館で開催された「土偶展」が海外デビューでした。今回のパリ縄文展では、縄文時代の全ての国宝6件と国指定重要文化財33件を含めた全64件に、相模原の縄文土器がまさに肩を並べて展示されます。
今月の4~5日にはフランスに渡ります。しばらくの間は当館ではご覧いただくことができませんが、もしもフランスに行かれる方がいましたら、どうぞ会いに行ってあげてください。