迷うアマガエル

12月に入り、朝晩の気温が5度前後の日が多くなりました。
自分で体温を上げることができない“外温性動物”である両生類は、これくらいの気温が冬眠するかしないかの分かれ目となります。
先日訪れた水田近くの畑では、苗ポットの縁でひなたぼっこをするニホンアマガエルを見つけました。フチ子?フチ男?

ひなたぼっこのニホンアマガエル

朝晩は寒いけど、日中は10度を超え、日なたはさらに暖かい。なんだか、冬眠しようかどうしようか迷っているように見えますね。
こちらは、葉陰で“迷う”ニホンアマガエル。

葉陰のニホンアマガエル

地面や木の幹の上にいる時間が多いと、ニホンアマガエルは体色が黒いまだら模様入りの灰色になります。見事な保護色ですね。

見事な保護色のニホンアマガエル

葉の上でひなたぼっこをしていると、また緑色になっていきます。
そんな体色変化も、夏の間は見る見る変化していくのですが、寒い時期はとてもゆっくりです。
気温とともに体温が下がると、代謝も下がります。両生類の冬眠は、人間の睡眠とはだいぶ違って、呼吸や心拍数を下げ、生命維持に必要な最小限の代謝に保つ生理機構です。いわば、仮死状態と言えます。
当然リスクも大きくて、外敵による捕食や餓死など、二度と覚めることがないかもしれない、決死の冬越しとなります。そんなことを考えながら見るニホンアマガエルは、やっぱりどこか迷っているような表情に見えてしまいます。

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