12月15日、藤沢市の日本大学生物資源科学部で2018年度丹沢大山自然再生活動報告会が行われました。
丹沢大山自然再生事業は神奈川県と関連自治体、民間団体、大学など丹沢大山に関わるさまざまな組織と県民が共に自然再生を考え、実践していく活動です。当館も生物担当学芸員が丹沢大山自然再生委員会の委員として参加しています。
報告会は、委員長による、20年以上に及ぶ活動を踏まえた現状と課題の説明から始まりました。
続いて県自然環境保全センターの田村淳研究員による基調講演「丹沢山地のシカによるブナ林の衰退と再生に関する一連の研究」 が行われた後、3つの会場で研究・実践活動報告に進みました。3会場はそれぞれ「生き物再生」「水・土再生」「地域再生」のテーマが設定されました。また、別会場でポスターセッションもあり、口頭発表と合わせて34本の多様なテーマで熱心な議論が行われました。
当館の「学びの収穫祭」でも毎年発表していただいている、あざおね社中(麻布大学)は、丹沢山麓の青根地区での地域再生活動を行っていますが、この報告会へは初参加です。同様の活動を行う他の団体や大学からも注目され、今後の情報交換や連携が期待されます。
首都圏に隣接しながら貴重な自然環境を有する丹沢ですが、さまざまな問題や課題を抱えています。あまりにも規模が大きく、時間がかかる自然再生は決して楽な道筋ではありません。そうした認識を含め、立場を超えて情報を共有し、これからの丹沢を考える有意義な報告会でした。