博物館で系統保存のために栽培している絶滅危惧種のカワラノギクが結実しています。この株は、市内の相模川の河川敷で採種されたもの由来で、市内産の系統が絶えてしまわないように栽培しています。
カワラノギクの果実は同じキク科のタンポポと同じように綿毛がついていますが、風に乗って飛ぶことはあまりありません。種子の大きさに対して、綿毛が短くて少ないためです。
ではなんのために綿毛がついているのでしょう?ある研究によると、河原という特異な環境に生育するために遠くへ飛ぶ必要はなく、むしろ、条件の良い河原石のすきまに入り込んで、そこから抜け出てしまわないように綿毛でうまくひっかるためだろうとされています。綿毛の機能もいろいろですね。
立ち枯れたカワラノギクを見ていたら、茎の途中にもっと大きな綿毛がひっかかっていました。
周りをよく見ると、地面にも落ちています。
こちらは、相当な滞空時間であることが容易に想像できますね!
これは、先日、壮大なつるをご紹介したテイカカズラの果実なのです。
あの勢いで樹木の上の方まで登っていき、地上15メートル以上の高さで開花して、今、果実を飛ばしているのでしょう。美しく繊細な綿毛付きの果実は、怒濤のごとく巻き付くつるとは対照的な印象ですね。