博物館お隣の樹林に伸びる木々の幹には、さまざまなつる植物が巻き付いてます。そのうちの一つ、キヅタのつるはしっかりと幹に張り付くように伸びます。
先日、林内での調査の都合があってキヅタのつるを切りました。すると、切り口からぽたりぽたりと樹液が滴り落ちました。
真冬にこうして滴る樹液はもしかして、と思いなめてみると、まるで砂糖水のような甘さ!
冬は凍結を防ぐために、体内に糖分をため込む樹木があります。カエデの仲間などではよく知られていますが、キヅタにもそうした性質があることは知りませんでした。
冬枯れた森の風景の中で、ちょっとアンバランスにすら感じられる、濃い甘味でした。