4月28日朝、気持ちよく晴れたので、博物館で系統保存のために栽培しているカワラノギクの様子を確認しました。適度に雨も多いためか、芽生えも順調です。ただ、よく目を凝らしてみると・・
不自然にねじれたような芽生えがありました。これはなんの仕業かというと、アメリカネナシカズラです。
ヒルガオ科のつる性寄生植物で、こんなふうに寄生根(きせいこん)を寄主(きしゅ)の植物(ここではカワラノギク)に食い込ませます。
寄主から水分も栄養も横取りするため、葉緑素を持ちません。成長点も植物らしからぬ風情です。
何より特徴的なのは、その名のとおり、ある程度、寄生根を寄主へ食い込ませると、用が無くなった根は消えてしまうのです。根無し、というより、すぐに根が消失してしまうというのが正しいのです。この株もそろそろ・・と思って探してみると、すでに根元が干からびていました。
さらに数時間して見てみると、乾燥してくるりと縮んでいました。
カワラノギクを育てているので、明らかにこれは害草(おまけに外来種)です。でも、この仲間の生態や分類には興味深いことが多く、つい、開花するまで悪さをしない程度にコントロールしつつ、育ててしまうのです。ちなみに、以前撮影したものですが、アメリカネナシカズラの花はこんな感じです。
直径3ミリメートルほどで、やっぱり色はほぼ、ありません。何から何まで、不思議な植物です。