博物館お隣の樹林地を歩いていると、コゲラが尋常ならざる声で鳴き交わしています。とても慌てた様子が伝わる声だったので何事かと探すと、つがいと思われる2羽が餌の昆虫をくわえたまま、枝から枝をせわしなく飛び移っていました。
キビタキやヒヨドリも、まわりで同じように警戒して鋭い声を発しています。
その行動の中心あたりにいたのは、アオダイショウでした。
コゲラはこのアオダイショウをなんとかしたいようで、まわりを飛ぶのですがアオダイショウは意に介しません。アオダイショウのお腹はすでに、ぼこぼこと膨らんでいます。
この立ち枯れた木にコゲラの巣があり、それをめざとく見つけたアオダイショウが巣を襲って、中のヒナを食べてしまったようです。少なくとも3羽のヒナが飲み込まれていました。
アオダイショウが去った後、巣のまわりで親鳥が鳴くのですが、ヒナの声が返ってきません。
しばらく親鳥は巣のまわりを鳴きながら飛んでいましたが、15分ほどすると、その場を去って行きました。
餌の青虫をたっぷりくわえながら飛び回る姿がとても切なかったのですが、これも自然界の掟です。人間は黙って見守るしかありません。コゲラのつがいには、またどこかに巣を作ってもらい、がんばって子育てして欲しいですね。