5月21日は、春の嵐でした。
実は、その前日までは、次に雨が降るのを楽しみにしていたのです。なぜかと言うと、先月、存分に花を楽しませてくれたフデリンドウが、そろそろ結実してきて、こんな姿になっていたからです。
フデリンドウは越年草(おつねんそう:前年秋に芽生えて冬を越し、春、開花結実すると枯れる植物)で、種子は、茎の先端にがま口のような袋があり、その中にたっぷりと詰め込まれています。
世代をつなぐにはしっかりと種子を散布しなくてはいけませんが、フデリンドウは、タンポポのように遠くへ種子を飛ばそうという気は無く、近場へばらまく戦略です。親植物が結実してすぐに枯れてしまうので、同じ場所にまた育てば良いということなのでしょう。どんな風に散布するのかというと、雨が降るとがま口がパカッと開き、雨粒の勢いであふれるように種子が落ちるのです。そのようすを写真に撮りたい!と思って雨を待ち構えていたのですが・・
思わぬ春の嵐の中、狙いをつけていたフデリンドウの株へ濡れながら駆けつけたのですが、時既に遅し。
がま口が元気よく開いて、種子はすでに残らずこぼれ落ちた後でした。来年こそは!