6月12日、カイコに与えるクワの葉を取っていると、葉の上にクワコがいました。
クワコは、カイコに最も近いとされる野生の蛾で、祖先は同じ種類と考えられています。緑の葉の上にいるとさすがに目立ちますね。このクワコはまだ4齢くらいなので、5齢幼虫の見事な忍術(擬態)がまだうまくないのかもしれません。近くにいた5齢のクワコは・・どこにいるのかわかりますか?
答えは、赤い丸の中です。実際に見ても、かなり顔を近づけて見ないとわからないほど、クワの枝に同化しています。
こちらにもいるのですが、さらにわかりにくいと思います。
答えはこちらです。
おもしろいのは、こうして擬態しているクワコの頭をちょっとつつくと、頭をぐっと下げて、胸部の背面にある眼状紋(がんじょうもん=眼に似せた模様)を突き出します。
これで外敵の攻撃をどれだけ防げるのか不明ですが、それなりに効果があるので進化してきたはずです。一度、これに驚く鳥の姿を見てみたいものです。
博物館に、カイコについて質問に来られた親子連れの方とクワコを観察していたら、お母さんが繭を見つけてくれました。黄色っぽくて小さな繭です。
クワコはとてもおとなしく、きれいな蛾なので、クワを食べるという点でカイコのライバルなのに、つい楽しみにして見守ってしまいます。