節足動物は、体の外側を骨格で覆っているので、大きくなるためにはその骨格=殻を脱ぐ必要があります。それが脱皮です。
これはイオウイロハシリグモ(オス幼体)の脱皮殻。
とてもきれいに形が残っていたので、思わず拾ってきてしまいました。
上顎。使っていた時のままです。
足先には爪もあります。
先端が膨らんだ形をしている肢は触肢で、この形はオスです。まだ幼体なので複雑な構造はありません。
クモが脱皮をする時には、頭胸部の前端が蓋のようにはずれて、そこから全身を引っ張り出します。これを見ると、まるで服を脱いだように全体がつながっているのがわかります。ただし、腹部は硬い殻がないので、皮のようなものがくっついています。
最後に頭胸部を正面から。
この種が属するグループ(キシダグモ科)に特徴的な目の並び方をしているのがわかります。
こんなふうに、状態が良い脱皮殻ではいろいろな事が観察できます。