6日間ある分野別の博物館実習のうち、考古分野も前半が終了しました。
考古分野の実習では、遺物の資料整理や鉄製品の保管処置、フィールドワーク、相模原縄文研究会(考古ボランティア)との普及事業の企画打合せなどを行いました。
遺物の資料整理では、収蔵庫に適切に保管するための再整理作業を行いました。扱った遺跡は縄文時代の嵯峨遺跡(緑区吉野)で、石器を出土地点毎に分けています。石器の分類は難しそう・・・。
遺物は整理箱に収納して収蔵庫に納めます。整理箱には何の遺物が入っているのか分かるように、発掘調査報告書の遺物図をパウチして一目で分かるようにしています。
鉄製品は水分と酸素を避けて、サビによる腐食が進まないようにしなければいけません。今回は谷原(たにはら)古墳(南区当麻・中央区田名塩田)と津久井城跡(緑区根小屋)から出土した鉄製品を脱酸素剤等といっしょに封入するパッキング作業を行いました。皆さん初めての作業で、少し緊張気味です。
透過性の低いエスカルシートに鉄製品、脱酸素剤、インジケーター(酸素がぬけたかどうかを色で識別できる錠剤)を入れます。
シール機で加熱して空気が入らないように封をします。
完成です。酸素が抜けたか、しばらく置いて、インジケーターの色の変化を経過観察します。
フィールドワークは、当麻に行きました。目的は実習後半で行う展示のためで、無量光寺境内の発掘調査で出土した江戸時代の陶磁器など、当麻の歴史を紹介してもらいます。無量光寺の他、当麻宿の発掘調査現場、当麻芹沢遺跡の調査地点、周辺の湧水など歩いて回りました。遺跡がなぜここにあるのか、読み取ってもらえたかな?
実習の合間をみて、展示の検討を開始してもらいました。当麻の出土品を取り扱うことだけ条件設定して、後は3人で自由に話し合ってもらいました。3人とも発掘調査現場などフィールドワークで感じたことが、展示のテーマやコンセプトにつながったようです。ホワイトボードいっぱいに意見を整理して、意欲的に取りかかっています。
さてさて、どんな展示になるのか楽しみです。