最近、博物館周辺のジョロウグモの網でオスとメスが同居しているのをよく見かけるようになってきました。
こんな感じです(小さくて模様が地味なのがオスです)。
オスが複数いる場合もあります。
オスがメスの網に侵入して、交接(クモの場合、交尾ではなくこう呼びます)の機会をうかがっているのです。
既に交接しているものもいました。
オスが触肢(口元にある触角のようなもの)先端にある生殖器官をメスの腹部にある生殖口に押し当てています。
この写真のような姿勢になるには、オスはメスの腹側後方から近づかなければなりません。
そう思ってみると、まだうまく位置どりが出来ていないオスと、もう少しでメスに接触できそうなオスがいます。
といっても、うかつに近づけは餌と間違えられてしまいます。実際、もう少しするとメスに襲われて脚の数が減ったオスをちらほら見かけるようになるでしょう。
というわけで、こんな風にメスが食事中に間を詰めるのも一つの手段のようです。
この後も、メスに少しずつ触れたりして様子を見ながら近づいていく事になります。
子孫を残すためとはいえ、あまりにも命がけです。ちょっと無駄な事をやってるんじゃないかと心配をしてしまうのですが、ジョロウグモの仲間は1億6500万年前の化石が見つかっていますから、ずいぶん長い事この方法でやってきた事になります。
ここは自分の考えの浅さを反省すべきところですね。