“赤と黒”というと、あまりにも有名な、19世紀のフランスを舞台としたスタンダールの小説のタイトルですが・・
植物の世界では、秋の深まりを象徴する色の組み合わせです。例えばこちらは、クサギの果実。
熟した果実を、星形の萼(がく)が強調しています。種子を運んでくれる鳥に対して熟したことを示すサインとなります。
こちらはサンショウです。果実は香辛料として利用される際には乾燥してさらに粉にしますが、熟した当初はこんな鮮やかな“赤と黒”です。
もうひとつ、トキリマメです。なんだかロボットの目のようですが、こちらは鞘(さや)が赤く染まって口を開け、黒い果実を強調しています。
赤く熟す果実もありますが、黒は鳥にとって、よりジューシーな色のサインなのでしょうか。それをご丁寧に赤い背景まで作って目立たせる、お見事な植物の進化ですね。