博物館の建物の脇に、カマキリがいました。
体が大きめなのと、翅(はね)の色合いから、オオカマキリかチョウセンカマキリだろうと考えつつカメラを近づけました。
暑い季節なら、カメラを近づけると前足の鎌を立てて威嚇してきます。オオカマキリとチョウセンカマキリのわかりやすい識別点は、前足の付け根の間の色なので、威嚇ポーズで前足をこちら向きに立ててくれると識別できるのです。でも、もはや威嚇する元気は無さそうです。顔だけはこちらに向けるのですが、前足はだらんとしたままです。
ならばと、さらに近づいてお顔のアップを撮らせてもらいました。
カメラ目線!?
いやいや、カマキリの大きな眼は複眼なので、瞳孔はありません。こちらを向いているように見えるのは偽瞳孔(ぎどうこう)という現象で、複眼の構造上、光が反射しない部分が黒くなり、それがこちらを向くように移動して見えているのです。
弱々しいカマキリをあまり刺激するのもためらわれたので、結局、種の識別はできませんでした。