先週の写真ですが、博物館周辺の樹林地で、エゴノキにヤマガラが来ていました。種子をくわえて、なにやら行ったり来たり忙しそうです。
エゴノキの果皮(かひ)にはエゴサポニンという有毒成分が含まれているため、ほかの鳥はまず食べません。そのため、初秋に果実が熟してから、そのまま長く枝についていることがあり、ヤマガラは余裕をもってそういう木を訪れます。
ヤマガラはエゴノキの、熟して割れた果実から種子を取り出します。それを、とまりやすい横枝に運び、足で押さえてくちばしでつつきます。
そうして、中の胚乳(はいにゅう)を取り出して食べるのですが、結構な数の種子をその場で食べずに、樹皮の割れ目や洞(うろ)などに隠します。
うまく隠せたようです。
地面付近に隠したり、何かの拍子に落ちたりして、それが発芽することもあれば、エゴノキにとってはしめたもの。
エゴノキのこうした種子散布戦略は、鳥散布型と呼ばれますが、「ヤマガラ散布」と呼んでも良いくらい、ヤマガラに特化したものと言えるでしょう。