ここにあげた写真は、市内でも県内でもなく、群馬県で撮影した写真です。
冬の田んぼに群れるカラスというと、特段珍しくもなんともないのですが、じつは、神奈川県内ではあまり見られない種類が写っています。
これは、ミヤマガラスという冬鳥のカラスなのです。
県内では通常、ハシブトガラスが住宅地などに多く、可燃ゴミを荒らしたりして社会問題にもなっています。上の写真のような農耕地など開けた場所にはハシボソガラスが多いのですが、両種はどちらの環境でも生息しているので、どちらも馴染みのカラスです。
ミヤマガラスは北関東などでは冬になると見られ、数十羽の群れが広い水田地帯などに飛来するのですが、神奈川県まではあまりやってきません。
そして、ミヤマガラスの大きな群れがいるときは、注意深く探すと中に小さなカラスが混じっていることがあります。
ミヤマガラスは、ハシボソガラスより一回り小さいのですが、さらに小さなカラスです。これは、コクマルガラスと言います。
このカラスの羽色は不思議なことに、暗色型と淡色型があり、どちらもミヤマガラスの群れの中に混じっていることがあります。上の個体は暗色型です。淡色型は白やグレーが混じり、シンプルながらかわいらしい姿をしています。県内でも記録はありますが、とても珍しい鳥です。相模原市内では、2000年と2004年に記録があるだけです。同じ関東地方なのに、鳥類相にはずいぶんと違いがありますね。