2月27日、市内中央区の段丘崖(だんきゅうがい)沿いの斜面緑地で、アズマヒキガエルやヤマアカガエルの産卵状況を調査してきました。
例年、3月初旬から中旬にかけて産卵するアズマヒキガエルが、すでに産卵後3、4日以上経っているものがありました。
さて、そんな調査をしながら野鳥の様子も見ていたのですが、この日は地面近くと樹上で、日本の野鳥最小対決を見ることができました。まずは地面近くのミソサザイです。
嘴の先から尾の先まで(全長)、10cmほどしかない鳥です。小さい上に、短い尾をピンと上向きに上げるのがミソサザイのかわいらしい基本姿勢です。
そして、小ささなら負けない!と針葉樹の枝先をこまごま動き回っていたのはキクイタダキです。あまりにも小さくて撮影するのにとても苦労する鳥です。実は、ミソサザイと対決しているわけではなく、こちらが勝手にそう言っているだけなのですが、
図鑑などでは、キクイタダキが日本で一番小さな野鳥と書かれています。全長はだいたい10cmでミソサザイと変わらないのですが、キクイタダキの方が頭が大きく尾も長さがそれなりにあるので、胴体はキクイタダキの方が小さいのでしょう。実際に見ても、こちらの方が小さく見えます。
さらに、こちらも胴体の小ささは負けていない、エナガです。全長は約13cmですが、尾の長さが半分くらいを占めるため、胴体はとても小さく見えます。
こちらは巣材の内材となる鳥の羽根を懸命に集めていました。
ところで、最近、エナガの群れとなぜか行動を共にすることが多い鳥がいます。リュウキュウサンショウクイです。
市内では夏鳥として南から渡ってくるサンショウクイという鳥と亜種の関係にあり、繁殖地は南西諸島です。この5年ほどの間に、亜種サンショウクイと逆方向の渡りをして、秋の終わりから早春まで、県内に滞在します。とても不思議な季節分布の変化は、鳥の研究者の間でもホットな話題となっています。エナガの群れと行動を共にすることも含めて、冬に北上する理由は、まだはっきりわかっていません。
あちらこちらでシジュウカラが囀り、ウグイスもまだ本調子ではありませんが、ホケキョ!と鳴いていました。春がもうすぐそこまで来ています。