2月29日、市内南区と大和市の境にある境川の斜面緑地に集う人々がいました。
今から40年ちょっと前のこの場所でアズマイチゲを発見した、県立上鶴間高校生物部のOBたちと、当時の顧問の先生です。
今は、地元のNPO法人境川の斜面緑地を守る会が管理・整備を行い、保全している場所です。上鶴間高校生物部と守る会に直接のつながりはなく、それぞれにこの場所の貴重な生きものを発見し、保全への熱い思いを抱きながら見守ってきました。それがこの日、いくつかの偶然と必然が絡み合った結果、現地を訪れた生物部OBのみなさんを、守る会の創立メンバーが案内することになったのです。
折しもアズマイチゲが例年よりだいぶ早く開花のピークを迎えていました。
ヒメウズやジロボウエンゴサクも早春の木もれびの中、開花しています。
遠くは岡山県から駆けつけたOBの方もいて、いとおしそうにアズマイチゲの花を見つめていました。
40年以上も遡る発見のいきさつと、そこに関わる方々がつながったのも、発見時の標本が採集データと共にしっかりと残されていたからです。
生物標本を残すということは、その生物の存在だけでなく、関わる人間の歴史も残すものなのだということを改めて感じました。