先日、このようなものを発見しました。
一見なんの変哲もない「クモか毛虫が出した糸」に見えますが、春先である事と、執拗に何度も重ねられたように見える外見等から、どうやらジグモの幼体がバルーニングをした痕跡だと推測されます。
「バルーニング」というのはクモが糸を空中に吹き流し、その糸にぶら下がったまま上昇気流に乗って空中を移動する行動を指します。そう、気球(バルーン)に乗るようにして空を飛ぶのです。
春先にジグモの幼体が、このバルーニングで拡散する行動はよく知られていて、私も二度だけ見たことがありますが、小くて頭でっかちのクモが右往左往しながら高いところに上がっていって、次々飛び立つ様は、見ていて飽きません。
ぜひ写真を撮りたいと思っているのですが、残念ながらカメラを持ち歩くようになってからは出くわすことがなく、このシーズンになるとかなり気をつけているのに、いつも空振りでがっかりしています。
今年は、痕跡に出会えたのでニアミスです全く気付かなかったよりましですが、よけいに悔しくもあります。そういえば前日は気温も高くて風も穏やかで、絶好の条件が揃っていました。今更気が付いても後の祭りですが。
それでも近くに他の個体群がいないか確認しながら歩いていると、別な種類のクモがいくつかいました。
いつ見ても見事な擬態のマネキグモ。既にこのサイズという事は幼体で越冬したのでしょう。
マルゴミグモ。水平円網の上に乗っかっている変なやつ。温暖化の影響で分布拡大しているという割には、こんな春先にしっかりと活動しています。
ギンメッキゴミグモ。雑木林の定番ですが、庭先にも表れる銀色にきらきら輝くクモです。
今日は冷たい雨が雪に変わり、冬のような日ですが、生き物は一気に春へと向かっているようです。