意外に身近な多様性(クモ)

クモというと、網を張って獲物を待ち構えるイメージが強いと思いますが、網を張らずに獲物を捕らえる種類もいます。
例えば、今日見かけたのはウヅキコモリグモ。
通勤途中、目の前を走っていました。

ウヅキコモリグモ。車道を走って横切っていました。


コモリグモの仲間は英語で’wolf spider’と言います。いかにも狩りをしそうなイメージですね。この仲間は、卵のうを腹部につけて持ち歩いたり、子グモを背中に乗せて歩くことで知られています(それで「子守グモ」という名前がつきました)。

そしてこれはキシノウエトタテグモ(の住居)。

キシノウエトタテグモの住居


この写真では何だかわかりませんね。
棒でちょっとめくると、扉になっていて土中に住居が続いています。

住居の扉。トタテグモは「戸を立てるクモ」という意味です。


このクモは主に夜間、扉付近に待機していて、獲物が近くを通りかかると住居から飛び出して、あっという間に中に引きずり込んでしまいます。
掘り出せばクモを見ることもできますが、気の毒なので今回はそこまでやりません。

実はこの場所、駅前のロータリー脇。地面を覗き込んでいると、周囲からけげんそうな視線が飛んできます。
でも、こんな面白い習性を持つ生き物が身近にいるのですから、ぜひ皆さんに知っていただかなければなりません。多少の痛い視線は気にせず、断固としてしゃがみ込み、棒を拾い、扉をめくりながら写真を撮影しました。ちょっとそんな風景も思い浮かべていただけると幸いです。

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