今年のキアシドクガ情報(その1)

相模原市内で大発生が続くキアシドクガは、博物館周辺では2014年に大発生が始まり、昨年にはもう終息といえるレベルまで発生数が減少していますが、それでもまだそれなりの数は見られました。今年はどうでしょうか。昨年は4月9日に若齢幼虫を確認したのですが、今年は今日、4月12日に確認しました。

キアシドクガ(若齢幼虫)2020年4月12日撮影

食べ痕は数日前には確認していたのですが、1本の木の中でも食べ痕のある場所に偏りがあり、手の届く高さにはあまり見られませんでした。キアシドクガは本来、若齢期はあまり低い位置にはいないのではないかと思われます。

ミズキの枝を下から見上げても、食痕はあまり見られません

こうした点からも今年も発生数は少ないものと考えられます。見える範囲で探しても、このように数匹がいる程度です。

2匹のキアシドクガの幼虫が葉裏にいます

ただ、木によって、ある程度食痕が目立つ場所もあり、そうしたところをよく見ると、葉を半分に折って縫い合わせたようなものが見られます。

キアシドクガの脱皮室(2018年撮影)

これは、キアシドクガの幼虫が脱皮の前に作る脱皮室です。おそらく、中では眠(みん:脱皮前の休眠状態)の幼虫がいるのでしょう。
これまでの発生状況と比較して考えると、今年はそれなりの発生は見られるものの、大発生は終息期の延長上(末期)に達していると予測されます。
大発生は博物館周辺や木もれびの森など市域中央部から始まり、徐々に周縁部へと拡大した経緯があります。そのため、市域北部や高尾周辺などは今年も相当の発生が見られるでしょうが、これもおそらくピークは過ぎていると考えられます。
今後の推移を見守り、また報告していきたいと思います。

※当館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月13日まで臨時休館となっております(4月12日現在)

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