コゲラの巣作り

野外では鳥たちの繁殖期真っ盛りです。ある日、森の中でコツコツコツ、コツコツコツ・・と音がするものの、音を立てているであろうキツツキの姿が見えません。音をたどって枯れかけた木をよく見ると、まん丸の穴が開いています。音がやんだと思ったら・・

穴から顔を出すコゲラ

キツツキの仲間のコゲラがひょっこり顔を出しました。
するとおもむろに、木屑をバッと振りまいたのです。

木屑を振りまくコゲラ

コツコツの音は巣穴を建築中で、木を削っている音だったのです。そして、たまった木屑を外へ出しているところに出くわしたというわけです。
コゲラは日本で最小のキツツキで、体はスズメくらいの大きさしかありません。枯れかけている木とは言え、小さな体で幹に穴を掘ってしまうのには驚きです。ところで、上の写真をよく見ると、目の色が真っ黒ではなく、青灰色です。その上の写真の目は真っ黒です。じつは、鳥には「まぶた」と眼球の間に「瞬膜(しゅんまく)」と呼ばれる薄い膜があり、青灰色に見えるのは瞬膜を閉じている状態なのです。水鳥が水に潜る時や、コゲラが木屑を飛ばす時のように、眼球を保護する時に使われます。下の写真は瞬膜を閉じかけているところです。

瞬膜を閉じかけているところ

まぶたが上下運動であるのに対して、瞬膜は水平方向に閉じます。鳥類のほかには魚類や両生類、爬虫類にも瞬膜はありますが、哺乳類の多くは退化しています(なぜかネコには残っています)。

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