街路樹の植え込みや、垣根などにスルスルとつるを伸ばしつつある植物があります。
この植物は、ヤブカラシといいます。こんな風に、ツツジなどの低く刈り込まれた植込みだと、つる植物であるにもかかわらず、結構立ち上がっています。と思ってよく見ると、上の写真はネズミムギというイネ科の植物に巻き付いて立ち上がっていたのでした。おそらく、もう少し伸びると重みで倒れてしまうでしょう。
でも、陽当たりさえあれば、倒れようがまだまだ伸びます。そして、真夏になるとこんな花を咲かせます。
金平糖(こんぺいとう)のような色合いで、小さくて花弁は目立たないものの、咲き始めはオレンジ色、少し時間が経つとピンク色になるかわいらしい花です。特徴はこの葉っぱです。
5枚の小葉(しょうよう)が手のひら状にきれいに並んで、1組の葉を構成しています。庭などでは垣根から雨樋(あまどい)などをつたっていつのまにか屋根まで登ってしまう、やっかいな雑草です。さらに、上の写真のような花が咲くと甘い蜜を出すために、ハチも呼び込んでしまったりします。でも、道端であまり管理されていない植込みなどではハチだけでなく、いろいろな昆虫が集まる虫のレストランになります。虫の好きな人は、この植物の開花を楽しみにしていてください。