毎年この時期になると、コンクリートの壁や手すりの上をちょこまかと走り回る赤い奴。
体長0.5mm程なのに、とにかく早い。カメラに収めるのに苦労します。名前はカベアナタカラダニ。
大量に発生するのと、その体色のせいでかなり嫌われがちな生き物ですが、主な食べ物は花粉。現代人の天敵を食べてくれるので、もしかしたら益虫かもしれません。ただし、うっかり潰したりすると赤い色が服についたり、アレルギー反応を起こす事もあるようなので、指先で愛でたりしない方が良いでしょう。いずれにしても吸血をするダニとは全く別の種類で、昆虫などに寄生するタカラダニの仲間とも違う食性です。
さて、なぜこのダニがこの時期に目立つのかというと、春に卵がかえり、梅雨頃には産卵して死んでしまうからです。その卵は来年の春までふ化しないので、必然的に姿を見ることはありません。
すごい勢いで走り回るのは、繁殖に向けて食べ物を探して栄養を蓄えているのでしょう。因みに、この種にオスはまだ発見されていないそうです。こんなに小さいのに、色々と興味が尽きません。安易に嫌ってはもったいないですね。