道端、というより路上のわだちにも生えていて、雑草の王者と言えるのがオオバコです。
オオバコというと、このシリーズのその4でツタバウンランがオオバコ科と紹介しました。そして、その11ではハルジオンを「雑草の中の雑草」と書きました。でも、このオオバコをまだ紹介していないことが少々気になっていました。
地面に這うように生え、余分なものを削ぎ落としたスタイルで、もちろん花には花弁がありません。
踏みつけられてもさほど傷まない頑強な葉と茎を持ちます。低地から高標高地まで、人が歩くところならどこにでも生えています。オオバコこそが「雑草の王者」と言えるでしょう。
ところで、オオバコに似ているけれど、スラッと背が高い植物を見かけます。こちらは街路樹の植え込みなどに多く、花はオオバコより少し目立ちます。
ヘラオオバコです。雄しべの葯(やく)が土星の輪のように花穂を取り囲んでいます。
葉はオオバコにそっくりで、やはりちょっとスリムです。
涼しげでちょっとかわいらしい感じの植物ですが、放っておくと大きく育ち、いざ抜こうと思っても手では抜けないくらい地面にしっかり根をはっています。オオバコの仲間を甘く見てはいけません。