シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑫ ㋾

おだやかな 日差しの中に 八景(はけ)の棚(たな)

 

八景の棚は相模原市南区下溝にある景勝地で「神奈川県名勝・史蹟四十五佳選」にも選ばれています。かるたの絵札にも描かれているとおり、ここからの眺望は素晴らしく、眼下に相模川、遠くに丹沢山地を望むパノラマを楽しむことができます。

八景の棚からのパノラマ

相模原市東部から藤沢市かけて広がる相模野台地には、典型的な河岸段丘(かがんだんきゅう)が発達しています。河岸段丘は川沿いに形成された階段状の地形です。河岸段丘の段と段の境の急傾斜の崖は段丘崖(だんきゅうがい)と呼ばれています。

上空から見た相模野台地。緑色の帯状の部分が段丘崖。上流方向を望む。

小倉山から見た相模野台地

八景の棚は段丘の端に位置し、足元は段丘崖となっています。崖は「はけ」、段丘は「たな」とも呼ばれており、八景の棚は段丘崖を意味するとの説があります。そして、崖の「はけ」と眺めの良い景色を見られる場所にちなみ「八景(はけ)の棚」と呼ばれています。

八景の棚のある段丘崖。

相模原市内の相模野段丘は3段の段丘からなり、段丘崖を越える坂道が市内のいたる所にあります。

相模原市南区下溝にある大正坂。上段と中段をつなぐ。

相模原市南区当麻にある子の神坂。中段と下段をつなぐ。

このような坂道では段丘をつくっている地層が見られることもあります。相模原の大地の成り立ちに思いを巡らせながら、坂を歩いてみてはいかがでしょうか。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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