道端でドクダミが咲き始めました。
なんとなく、この植物には雨が似合います。二十四節気の小満(しょうまん:5月20日~)に入ったとたんにぐずついたお天気と低温が続いていますが、そんなぐずついたお天気に、むしろドクダミの花の白は映えます。ドクダミは名前が毒々しいのですが、毒はありません。むしろ、毒を出す、という意味の言葉が転訛(てんか)したとのことで、薬草として昔から用いられてきました。
ところで、ドクダミの花の白い部分は総苞片(そうほうへん)で、花の本体は中央の黄色い部分なのですが、その4枚の総苞片の大きさをよく見て下さい。
1枚が小さくて、反対側にある1枚が大きくなっています。それと直角につく2枚はほぼ同じ大きさです。たまたまこの花がそうということではなく、ドクダミの花はすべてそうなっています。どうしてこういう大きさの組み合わせになっているのかはわかりません。でも、そんな法則を見つけるとちょっと嬉しいですね。
また、ドクダミの花がたくさん咲いているところをよく探すと、黄色い部分の雄しべが総苞と同じように花弁状に変化しているものがあります。小さいのであまり目立ちませんが、かなりの頻度で見られるので、ぜひ探してみて下さい。花弁への変化が花全体にわたって起きているものは、八重咲きのドクダミとして、園芸利用されています。
もう1種、雨が似合う花は・・スイカズラです。
咲き始めは白く、時間が経つとクリーム色になります。
花の根元を舌で舐めるように吸うと甘く、昔は子どもがそうして遊んだと言います。名前はそこから「吸い葛(かずら)」。この花を見ると、梅雨が近づいていることを感じます。