今回は、道端の植物の中に「運動するものがある!」というテーマです。
前回紹介したカラスムギは、その代表と言えます。
嘴が開いたような小穂(しょうすい)から出た2本の芒(のぎ)は、果実が実るころに、なぜか付け根近くで直角に曲がります。
そして、曲がるだけでなく、らせん状にねじれているのです。
雨などで水に濡れると、このねじれが戻り、回転します。しかも芒が直角に曲がっているため、先端を支点に小穂そのものが回転を始めます。
その様子を撮影した動画を下のリンクにアップしてあるので、ぜひご覧下さい。
カラスムギの回転(YouTube)
なぜこんな回転をするのかというと、ドリルの作用で種子が地面に潜るため、というのが一般的な説明です。しかし、さすがにこんな軽いものが地面へ潜るとは思えません。果実には上向きに生えた長い毛があり、これも作用して、動画でも下側へ進んでいるのが見てとれると思います。おそらく、地面と言わなくても、落ち葉や地上のさまざまなものに潜り込んで固定されるくらいの作用はあると思われます。
続いて、こちらも路傍で普通に見られるカタバミの仲間(オッタチカタバミ)です。
この果実は、熟して何かに触れるとはじけ飛びます。
これも動画をアップしてあるのでご覧下さい(後半はスローモーションにしてあります)。
カタバミ(オッタチカタバミ)の種子散布
これはホウセンカなどと同じく、種子をできるだけ親から遠くへ飛ばすしくみです。
身近な植物で簡単に観察できますので、ぜひチャレンジしてみてください。ちなみにカタバミのはじけるところを観察したい場合は、朝の方が、はじけそうな果実を見つけやすいはずです。