インコが公園を飛び回る

市内南区の相模大野中央公園に、インコが群で飛び回っている。
そんな情報が市民の方から寄せられました。早速調査に行ってみると、到着してすぐに「ケイッケイッケイッ・・」などと大きな声で鳴きながら飛び回るインコに出会いました。

ワカケホンセイインコ(オス)

ワカケホンセイインコです。インドやスリランカ原産で、国内では比較的古くから飼い鳥として輸入されていましたが、1970年代頃から東京を中心に野外でも見られるようになった外来種です。神奈川県でも同じ頃から川崎や横浜で観察されるようになり、横浜市緑区には大きなねぐらが知られています。
市内でも境川沿いなどいくつか繁殖地が知られていますが、比較的小規模で、数はそれほど多くありません。しかし、相模大野中央公園では10~20羽が飛び回っているとのことで、今後の動向が注目されます。
ワカケホンセイインコは植物食で、果実や木々の若葉、つぼみなどを食べます。公園には様々な植栽木があり、生活の基盤を支えているようです。この日はヤマモモの果実を食べていました。

ヤマモモの果実を食べるメス

巣は、キツツキの古巣や樹洞、巣箱などを利用します。同じような営巣の仕方をするムクドリなどと競合するのですが、ムクドリは競争相手という意識があまりないのか・・すぐ近くの枝に止まっていてもお互い平然としています。

ムクドリ(左)とワカケホンセイインコ(右)

尾が長く、全身が若草色で見た目は美しいのですが、在来の鳥類への悪影響が懸念されています。

尾が長く、体はヒヨドリより一回り大きな鳥です

博物館では、今後も市内の分布状況を注意深く見守っていきたいと考えています。

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