掃き立てから26日目、5齢に脱皮して8日目。ほとんどのカイコが黄色っぽく、ちょっと薄汚れた感じになってきました。これまで白くてプリップリの体つきだったのが、少ししぼんだように小さくなっています。これは繭をつくりはじめるサインで、このような状態のカイコを熟蚕(じゅくさん)と言います。
熟蚕のカイコは、始め容器の隅でこんな風にじっとしています。そして、いよいよ繭を作り始める状態になると、頭を上に向けて、8の字を描くように振ります。
動き回りながら頭を振っているカイコは、蔟(まぶし)へ移動です。蔟とは、カイコにまゆを作らせるしきりのことで、博物館ではボール紙を切って井桁(いげた)に組んだものを使っています。
カイコを蔟へ移しても、最初はうろうろ動き回って落ち着きません。博物館には専用の蚕室が無いので、あまり動き回られては大変なので、段ボール箱に蔟を固定し、それぞれのマス目に熟蚕を入れたところでピッタリとフタをしてしまいます。ちょっと強引ですが、これで効率よく上蔟(じょうぞく)することができます。
繭は丸2日かけて完成します。