シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑯ ㋟

「端午の空 相模の大凧 舞い揚がる」

相模の大凧は、毎年5月の4、5日に、相模川に面した南区新磯地区で、「相模の大凧文化保存会」によって揚げられます。

現在では「相模の大凧まつり」として相模原市を代表する観光行事の一つです。

2012年5月5日撮影

当日は、新磯地区の上磯部、下磯部、勝坂、新戸地区が作ったそれぞれの凧を、相模川の河川敷で揚げます。

中でも新戸地区の大凧は有名です。八間(約14,5m)四方の大きさで、この大凧を揚げるには、80~100人の人手が必要といわれています。

かるたの絵札に描かれているように、大凧には昔から二文字の漢字が赤と緑で書かれます。
右上の赤い文字は太陽を表し、左下の緑の文字は大地を表します。

題字は人々の思いや世相を反映したもので、現在は公募で選ばれた漢字が書かれます。

新戸の八間凧(2012年5月5日撮影)

このような大凧は、この地域でいつから揚げられているのかわかっていません。

もともと市域では男子の誕生を祝って、5月の初節供に各家で凧を揚げる習慣がありました。それが次第に大型化して地域全体でおこなうようになり、豊作祈願などの地域の願いを題字に込めて揚げるようになったと考えられています。

空を飛ぶ新戸の八間凧(2012年5月5日撮影)

現在でも5月の節供の時期に合わせて、「相模大凧まつり」は行われています。
実は、5月の端午の節供に凧揚げをするのは、関東から中部地方にかけてです。

多くの方が凧揚げは正月の風物詩であると思われているかもしれませんが、現在でもこのような地域性がみられます。

これからも相模の大凧は地域の願いを乗せて、端午の空を力強く舞い揚がっていくことでしょう。

相模の大凧については次のページでも紹介していますので、ぜひご覧ください。
祭り・行事を訪ねて(35)勇壮に舞った相模の大凧~南区新磯地区の「相模の大凧」~

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(当面の間、貸出しを休止しております)
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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