キシダグモの仲間(幼体)

最近、通勤路の植え込みが剪定ですっかりきれいになり、クモの観察がしづらくなっていたのですが、先日ちょっと珍しいものを発見しました。一箇所にごちゃっとかたまってまっているはクモの幼体。

子グモが一か所にまとまっています。

このように卵のうから出てきた子グモが集団で過ごしている状態を「まどい(円居)」と呼びます。それ自体は珍しくありません。首を傾げてしまったのは、いつもこのあたりで見かけるクモで、この時期に幼体まどいを見かける種類を思いつかなかったからです。

体長は2mmほど

拡大してみると、徘徊性の種、おそらくキシダグモ科のクモだとわかりました。
この仲間は、母グモが出のうが近づいた卵のうを、糸を張り巡らせた中に置き、出てきた子グモが分散するまで近くで見守る習性を持つものがいます。こういった習性から、ヨーロッパにいる近縁の種には「Nursery web spider(保育網グモ)」と呼ばれているものもいます。日本ではイオウイロハシリグモやアズマキシダグモでそのような行動が知られています。剪定のおかげで空間が広くなり、「保育網」を設置する場所ができたのかもしれません。今回、近くに母グモが見当たらなかったのですが、きっと近くにいると思うので、機会をみて探してみようと思います。

雨の後nursery webに水滴がついて光っていました。中央右寄りにぼんやり写っているのは、子グモが出た後の卵のうです。

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