カイコに最も近縁とされる野生の蛾、クワコについてはこのブログでも度々紹介してきました(最近の記事「クワコの擬態」はこちら)。9月に飼育した緑繭2号の給桑中に見つけたクワコの繭を保管していたところ、今朝、成虫に羽化していました。
カイコと比べると、当然ながら野性味があり、体つきもしっかりしています。羽化したのはメスで、翅(はね)はカイコよりしっかりしていますが、腹部が大きくてあまり飛ぶのは得意でなさそうです。せっかくなので、今日(10月2日)と明日だけ、緑繭2号の繭とともに展示することにしました。
クワコの繭はこちら(写真の右側)です。
今回育てていた緑繭2号は、通常の実用品種と比べて繭は少し小さめですが、それでもクワコの繭はさらに小さいのがわかります。さわるとペコペコ柔らかく、頼りなげです。でも、野生ではクワの葉でくるんでその中に繭を作るため、これでじゅうぶんなのでしょう。
クワコの成虫は明日の閉館後にクワの木へ放してしまうので、今日か明日、来館される方はぜひじっくりご覧ください。