黄昏時の美しさと珍しい満月が見えるチャンス!(10月星空情報②)

 

秋の日は釣瓶(つるべ)落とし』という、ことわざがあります。

井戸から水をくみ上げる釣瓶は、手を離すとスルスルと井戸へ落ちていきます。
そのように、秋は日があっという間に沈み暗くなる、ということを表しています。

その暗くなるまでの短い間を『黄昏時(たそがれどき)』とも言いますが、
夕焼けがとても美しく見えることがあります。

この時期、当館の「天体観測テラス」では、このような夕焼けが見られました。
朱が目に痛いくらいです。

博物館の天体観測テラスから見た夕焼け①

博物館の天体観測テラスから見た夕焼け②

太陽の光には、いろいろな波長が含まれていて、
ヒトはこの波長の違いを色として感じとっています。

また、波長が短い光(紫や青)は、波長が長い光(橙色や赤)に比べ、
大気や細かいチリによって散乱しやすい(まわりに散らばりやすい)
という性質があります。

そのため、昼間よりも太陽の光が大気中を通る距離の長い夕方には、
波長の短い青い光が失われ、波長の長い橙色や赤い光が空を染め上げるのです。

光がどの程度散乱するのかは、大気の状態やチリの量によって変わるので、
同じ夕空は二度とやってきません。
どうぞ、一瞬一瞬の黄昏時を目にしてみてください。

 

話はかわって、
みなさんは「中秋の名月(今年は10月1日)」をご覧になりましたか?
この日は良い天気だった地域も多く、SNSなどのインターネットで
月の画像がたくさんアップされていましたね。

手持ちのカメラで撮影した「中秋の名月」がこちらです。

中秋の名月(2020/10/01)
撮影:当館プラネタリウム解説員

ウサギやカニの姿に例えられる月の模様(黒い部分)がわかりやすく見え、
とても美しい姿でした。

今年は「中秋の名月」の翌朝(10月2日6時5分)が満月だったのですが、
今月はもう一回、満月になる日があります。
それは31日の23時49分。ギリギリ10月です!

ひと月に満月が二度あることは珍しいため、こちらもお見逃しなく。

 

カテゴリー: 天文 タグ: パーマリンク