前回に引き続き、昭和61年度文化財記録映画「相模原の炭焼き」制作の際の炭焼きの写真を紹介します(いずれも昭和61年[1986]12月~62年1月・南区東大沼撮影)。
炭焼きには、カマヅメといって窯の中に槙(マキ)をつんできます。前回見たように、窯は地面より下にありますので、窯の中にもぐるように入って作業をします。写真では、少しわかりにくいのですが窯の中にいる人の足が見えています。
槙は二段にぎっしり積み、上には木の枝の部分を伐ったナグリを差し込みます。
そして、窯に火を付けますが、勢いよく煙が噴き出します。
しばらくして煙が透き通ってくると、煙が出る穴に土を掛けてふさいで中の火を消してしまいます。早すぎると生焼けの炭になり、遅れると灰になる部分が多くなるためタイミングが難しく、勘によるところが大きいと言います。この時には夜になりました。
そのまま2日ほどおいて炭を取り出します。やはり作業をする人は、もぐるように窯に入って炭出し籠に入れ、それを外で受け取っていきます。窯の中はまだ非常に熱く、薄着ではやけどをするので古い着物や被り物を充分着て備えます。
取り出した炭は並べておき、俵に詰めて完成です。炭俵は四貫目(約15kg)ほどの重さでした。
こうして文化財記録映画「相模原の炭焼き」では、地域の多くの皆様の協力をいただきながら、できるだけ昔の形で炭窯作りから炭焼きまで再現することができ、大変貴重な記録となっています。