シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」で見る名所案内 22 ㋶

ラブレター 藤野の山に 置き忘れ

JR中央線で、電車が藤野駅に近づくと、対岸の山の中腹に巨大なラブレターが現れます。

写真1 緑のラブレター

これは、造形作家の高橋政行さんが、平成元年(1989)に、「ふるさと芸術村構想」のもと、当時の藤野町の依頼で制作したものです。自然から人に向けた愛のメッセージという意味で、「緑のラブレター」と名付けられています。

縦17m、横26mの鉄のフレームにシートが張られている「封筒」ですが、たびたび修復を重ねています。

写真2 緑のラブレター

「ふるさと芸術村構想」は、昭和61年(1986)に神奈川県と藤野町が「いきいき未来相模川プラン」の一つとして立ち上げた事業です。これは、戦時中、藤野地域に疎開した画家藤田嗣治や、猪熊弦一郎、中西利雄など新制作派といわれる画家たちが多く集まり、相模湖を望む一大芸術都市を夢見ていたことを踏まえて、提唱されたものです。

写真3 芸術の道 射影子午線

芸術の道:写真のように、のどかな道沿いに点々と芸術作品が設置されています。

自然に抱かれた野外美術館としての「芸術の道」、芸術体験ができる滞在型施設として「藤野芸術の家」が整備されました。

写真4 藤野芸術の家

「ふるさと芸術村構想」を実現する手段として「ふるさと芸術村メッセージ事業」が、昭和63年(1988)から行われています。藤野村歌舞伎、写真展、陶器市、お散歩展、キッズシアターなどの各種事業が、藤野アートスフィアの通称で、現在も引き続き行われてきています。提唱から34年、藤野の芸術のまちづくりは、転入してきた多くの芸術家と地元の住民に支えられて、着実に進化しています。

写真5 アートスフィアの事業の一つ「藤野村歌舞伎」

コロナ禍の収束の見えない中ですが、天気の良い日に「芸術の道」を歩いてみるのも、良い気分転換になると思いますので、皆様も訪れてみてはいかがでしょうか。

写真6 芸術の道看板 案内看板もアートしています

藤野の観光に関する問い合わせ先:

一般社団法人 藤野観光協会 042-684-9503(平日のみ)

藤野観光案内所ふじのね 042-687-5581

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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